ロードバイクのサドル高さ 係数を使った正しく簡単な合わせ方
ロードバイクのポジションの中で、サドルの高さや前後の位置の調整はとても重要です。
自転車のサドルの位置が適切な位置に定まらないと、サドル以外のパーツであるハンドルの高さや、ハンドルの前後位置、ブラケットの位置や傾きなどが決められなくなってしまいます。
ロードバイクが初めての人でも、簡単にサドルの高さの調整ができるように、自分の身体の寸法に係数をかけて適切な寸法を導き出す方法をお教えします。
【目次】
- 自転車のサドルの高さは係数で簡単に合せる
- 基本になるサドルの前後位置を合わせる
- サドルの高さの合わせる寸法を知る
- 1.「FRAME」さん
- 2.「自転車探検」さん
- 3.「むねさだ」さん
- 4.「株式会社バイシクルわたなべ」さん
- サドルの高さを決める方法をまとめてみる
- 各係数で計算した高さで合わせてみる
- サドルの前後位置の調整
- サドル前後位置の調整とサドル高さ
- サドルの傾斜の調整
- カンチェラーラの画像分析から求めたサドル高さや位置
- ハンドルの取付位置
- ロードバイク 初心者でもわかるハンドル取付け位置
自転車のサドルの高さは係数で簡単に合せる
サドルの高さを合わせる為の方法は色々ありますが、数値ではっきりと示す方法が初めての人にもわかりやすいと思います。
自分の股下の長さに係数をかけて計算する方法で簡単に高さを合わせられます。
自分に合ったサドルを選ぶ方法については別の記事で書いていますので参考にしてください。
基本になるサドルの前後位置を合わせる
自転車のポジションにおいて、まず基本になるのはサドルの前後位置です。
下の図の通り、膝の側面から重り(5円玉など)を付けた糸を垂らして、ペダルの軸に一致するような位置にサドルの前後位置を合わせます。
この位置が出ていないとサドル高さを調整しても、適切なポジションに調整できない事になります。
一度前後の位置を調整しても、サドルの高さの調整をすると微妙に前後の位置も変わってしまいます。
したがって、前後位置を決めた後にサドルの高さを調整して、再度前後位置を確認して微調整するという作業をくりかえします。
シートポストが地面に対して垂直ではなく傾いているため、サドルの高さを変えるとサドルが前後に微妙に動く事になるからです。
サドルの前後位置の調整については、サドルの高さの係数の記事の後に、さらに詳しく記述していますので参考にしてください。
サドルの高さの合わせる寸法を知る
いよいよサドルの高さを合わせますが、自分の感覚だけで調整すると、その時の体調や体の具合で変化してしまうので、適切な位置にたどり着くのはとても困難になります。
感覚に頼らず数値でサドルの高さを決める方法について、サイトをさがして比較してみました。
1.「FRAME」さん
http://jitensha-hoken.jp/blog/2014/11/bicycle-fit/
ポイントは二つと言っています。
(1)自転車の横に立って腰の高さに合わせる
(2)サドルにまたがってペダルを一番下にした時に膝が少し曲がる高さに合わせる。
2.「自転車探検」さん
http://www.geocities.jp/jitensha_tanken/bike_fit.html
方法は3種類あると言ってます。
(1)かかと乗せ
ペダルを下死点(足が最も伸びる所)にして、ペダル軸に踵を載せて膝が真っ直ぐに伸びきる高さにする。
(2)ひざ角度
足をペダルにセットして下死点にした時の膝の角度が30度となる高さにする。30度とは、伸びきったところをゼロとして、そこから曲げて来て30度の位置の事。
(3)股下寸法からの割合
股下寸法に係数(0.885)を掛けた寸法を上限寸法として設定する。
3.「むねさだ」さん
http://munesada.com/2013/06/26/blog-2075
ここもわかり易く写真付きで紹介されてます。
かっこいい宇都宮BLITZEN(ブリッツェン)のセミナーのようです。
4.「株式会社バイシクルわたなべ」さん
http://www.bicycle-watanabe.co.jp/mt/setting/
図解で表現されていています。股下寸法からみるセッティング寸法を表にしています。
係数0.88で計算されています。
サドルの高さを決める方法をまとめてみる
紹介したサイトで教えてくれているサドルの高さを決める方法には「係数」をかけて寸法を割り出すという所が多いようです。
適切な高さを求める係数も、サイトによって微妙に違います。
【各サイトの係数の比較】
- エンゾ早川さん 0.893
- 今中大介さん 0.870
- そして 0.885(中級者 0.870、初心者 0.860)など
係数の0.01~0.02の差が、どの程度ポジションに影響するのかはわかりませんので、まずは実際に合わせてみて検証してみます。
各係数で計算した高さで合わせてみる
先ずは股下寸法を測ります。
壁に背を付けて足を15cm位開いて立ち、壁にぴったりとつけた四角い物を股下に入れて、強く当てた位置を計測したのが股下寸法は80.5cm
(身長を言わなければ、これが長いのか短いのか判断できないのです)
測定した股下寸法に、それぞれの係数を掛け計算したのが次の表になります。
上級レベルの高さに合わせてみる
まずは上級者と言われる係数0.885の71.2cmに合わせてみますが、あきらかに高い・・・もう見た目で無理って感じです。
実際に跨いでペダルを回してみると、下死点で膝がほぼ伸び切るような感じで、つい力を入れて踏み込んでしまいそうになります。
中級者レベルの位置に合わせてみる
次に中級者と言われる係数(今中大介さんが言う係数と同じ)0.870の70cmに合わせてみます。
やはり、サドルの高さを調整する前と比較すると、少し高く感じてクランクを回しにくい印象は拭えませんが、0.885の係数と比較すると膝がのびきるよう感覚は少なくなりました。
ちなみに、0.860の69cmに合わせてみましたが、これは窮屈感があり、あきらかに低い感じでした。
今のところ、0.870の70cmが一番自分に合っていると思いますので、この高さでしばらくの走ってみたいと思います。
サドルの前後位置の調整
サドル高さを合わせる際にはサドルの前後位置も調整した状態でペダルの回し易さなどを確認しています。前後位置の調整の仕方は色々なサイトをみても大きな違いはありません。
簡単に説明すると、
- クランク左右を水平の位置にした時、膝の皿内側のくぼんだ場所の真下にペダル軸が来るように座れるサドル位置にします。
- サドル固定ねじを緩めて跨ります。
- 細い紐に重りをつけてひざ内側のくぼみに紐を当てて重りを垂らします。
- ペダル軸中央に紐が位置する様にサドルをずらしながら位置を探ります。
固定して終了です。固定ねじを弛めて跨ぐ時、弛めすぎ無い事に注してください。
サドル前後位置の調整とサドル高さ
サドル前後位置を調整してもサドルが水平であれば高さに変化はありませんが、実際には座るポイントが前後しますので、座るポイントからペダルまでの寸法は変化します。
前後位置を変えた場合は、先に述べたサドル高さの確認を行って微調整しましょう。
少し面倒ですが前後位置を変えながら高さ調整も同時に確認していきます。
サドル高さを測る時に注意が必要なのは、サドルのどの部分で測定するかです。
シートチューブに合わせて測ってしまうのは間違いです。
サドルの座骨が当たる場所(実際に座る位置)とペダルの最下点の上面の距離になります。
サドルの傾斜の調整
もう一つ重要なサドルの調整にサドル座面の傾斜があります。
基本的には水平ですが、0~0.5度前が下がるセッティングにする事で男性の大切な部分の付け根辺りの圧迫痛を和らげることが出来ると言われています。
この痛みは我慢して慢性化させてはいけない様です。私はそれを知って直ぐにサドルを変えて圧迫を減らしました。皆さんも気を付けてください。
傾斜を若干前に傾ける事で圧迫が減るメリットだけではなく、ペダルを回し易くなるような気がします。そちらの効果を期待して0.5度程度傾斜させてセッティングしました。
カンチェラーラの画像分析から求めたサドル高さや位置
面白い観点から勝手に係数を求めてみた記事も書いてみました。
本人はいたって真剣に係数を求めたくて頑張ったのですが、内容的にはお楽しみ的な記事になってしまっているかもしれません。
ハンドルの取付位置
またハンドル位置についても、画像分析や独自の理論から割り出した係数で基準位置を計算する事が出来る様にしてみました。
何処が正しいのかわからないという方は参考にしてポジションを決め、微調整してみては如何でしょうか。