クランクの長さは身長の10分の1は本当か?ロードバイクの真実を検証
クランクの適切な長さを考える
ロードバイクのクランクの長さは、身長の10分の1という事をよく耳にしますが、はたして本当なのでしょうか。
身長が190cmあるロードレーサーは、190mmのクランクは使用していませんね。
真実を検証してみたいと思います。
【目次】
- クランクの適切な長さを考える
- クランク長さは10分の1
- TOP選手のクランク長さ
- 股下や脚長寸法を基準とする説
- ペダリングの違和感
- ペダリングについて考えてみる
- ペダリングの違和感の原因(仮定)
- ペダリングの違和感の解決策
- 対策を考える
- まとめ
クランク長さは10分の1
私の身長は170cmJUSTです。
よく耳にする適切なクランク長さ、身長の10分の1で考えると、適切なクランク長さは17cmということになります。
特に意識をしなくても完成車に付いているクランクの長さで一番多いサイズが17cmではないでしょうか。
日本人の男性の平均身長は、約170cmになるそうです。
日本以外の各国の平均身長を見てみると
自転車の歴史があり現在でも盛んなヨーロッパの国々は、175cm~180cmとなっていて、日本よりも5cm~10cmも高くなっています。
伸長の10分の1が適切なクランク長だというならば、ヨーロッパのクランク長さは17.5cm~18cmが主流になっているという事になります。
また185以上の人は、18.5cmや19cmのクランク長になってしまうという事ですね。
そんなに長いクランクが取り付けられて売られている完成車も。パーツ単体も見ない様な気がしますが・・・
TOP選手のクランク長さ
世界トップクラスのロードバイクの競技者のクランク長さを見てみます。
マルティン 186cm 17.5cm
ウィギンス 190cm 17.25cm
カンチェラーラ 186cm 17.75cm
カンチェラーラは長めの17.75cmですが、身長190cmのウィギンスが17.25cmです。
マルティンも18.5cmではなく、17.5cmのクランクになっています。
股下や脚長寸法を基準とする説
身長の代わりに股下寸法や脚長寸法を基準に考える説もあります。
身長の差よりも開きは少なくなるので、クランクの長さのバリエーションが少なくても良い事になりそうです。
私としては、身長の10分の1説も、股下(脚長)寸法説も、どちらもしっくりとしません。
ペダリングの違和感
今感じているペダリングの違和感について説明します。
サドル高さや前後位置などは股下寸法に係数を掛けて計算した位置に合わせています(自己流)
これでクランクを回していると上死点付近で窮屈な感覚があります。
自分が回せる限界のケイデンスで回そうとした時、上死点付近で股関節と膝関節の屈曲が間に合わず、ペダルに押されて腰が浮いてしまい、ぎくしゃくしたペダリングになってしまいます。
サドルの高さを1cm~2cm程度上げると、上死点付近でもスムーズに回り始めますが、下死点で膝が伸び切って違和感を感じ始めます。
これは単純に自分のペダリング技術不足や筋力不足ではないと思っています。
因みに体はあまり柔らかい方ではありません。
ペダリングについて考えてみる
ここでペダリングで使う主な筋肉について考えてみます。
上死点から下死点に向かうペダリング
上死点から下死点に向かうペダリングは、股関節や膝関節を伸ばす動作になります。
大殿筋の収縮によって股関節を伸展させます。
また大腿四頭筋(大腿部前側)も活動します。
その時、腸腰筋はストレッチ(伸長)します。
下死点から上死点に向かうペダリング
下死点から上死点に向かうペダリングは「引き足」とも言われますが、ペダルを引き上げるので無く邪魔をしない様に足を引き上げる動作になります。
腸腰筋の収縮によって大腿部を引き上げます。
この時、大腿筋はストレッチする事になります。
またハムストリングスも補助筋として主に膝関節を曲げる活動をします。
筋肉の収縮と伸長から考える関節角度
上記のペダリングで使用する筋肉の収縮と伸長から、それぞれの理想的な関節角度について考えてみます。
上死点から下死点に向かうペダリングの時は、膝関節を大腿四頭筋が進展させようとしますので、なるべく膝関節が開いている角度の方が力が発揮しやすくなります。
また最も力が入る場所では大殿筋が股関節を進展させますので、股関節の角度が開いている方が力が発揮され易い事になります。
一方、下死点から上死点に向かうペダリングでは、股関節を屈曲させるために大腰筋が収縮します。完全に開ききった角度よりは閉じている方が反応も力も入り易くなります。
また膝関節を屈曲させるためにハムストリングスが収縮しますが、これも角度が小さい方が早く力強い屈曲が可能になります。
筋肉の収縮と伸長から考えるペダリング時の適切な関節の角度は、股関節も膝関節も屈曲しきらない伸展しきらない角度ということになります。
ペダリングの違和感の原因(仮定)
これらの事から、現在感じているペダリングの違和感の原因について仮定してみます。
上死点付近で股関節と膝関節が屈曲された際に、身体の柔軟性の限度を超えた屈曲となってしまう為、自らの筋肉で関節を閉じる事が出来なくなってしまう。
それを反対側の脚のペダリングによって押し上げる事により、腰が浮き上がるぎくしゃくしたペダリングとなってしまうと仮定します。
ペダリングの違和感の解決策
原因に対する解決策は二つです。
①股関節をなるべく屈曲しない
②股関節の柔軟性を増す。
②は日々柔軟体操を繰り返すしか方法はないと思いますが、すぐに結果をだせるものではありません。
ポジションやパーツのチョイスで対応できそうな①を対策として実行したいと思います。
対策を考える
股関節をなるべく屈曲しない対策を考えます。
先ほど記述した通り、サドル高さを上げるとスムーズになる事は判っています。
しかし、下死点付近で膝関節が伸び切って違和感を感じる事もわかっています。
とするとサドル高さはあまり変えずに、上死点付近での屈曲を和らげる方法はクランクの長さを短くすることに辿り着きます。
まとめ
身長170cm、股下80cmの私には、17cmのクランクは長すぎるという結論です。
身長190cmのウィギンスが、17.25cmのクランクを回しているのに、170cmの私が17cmのクランクが適切なんて考えられますか?
「適切なクランク長さは、身長の10分の1」は真っ赤なウソ
これが私の出した結論です。
陸上のランで考えてみても、身長190cmの選手と、170cmの選手の引き上げた脚の踵の高さが同じ位置にあるなんておかしいです。
170cmの選手は思いっきり高く飛んでいる事になります。
これを今思い付きましたが、早く陸上に例えてみれば簡単に結論が出せたかもしれません。
今、16cmのクランクを探していますが、なかなか見つかりません。
自分のバイクに合う物があるか?
実際に16cmで良いのか?
考えなければならない事がありますが、クランクを交換する事になった場合は続編を記事にしたいと思います。
追記:
今更ですが「なぜサドル高さはBB中心を基準としているのだろう」という疑問をかんじました。
何気なく皆がそうしているから、BB中心からの寸法でサドル高さなどを決めていました。
下死点の位置でのペダル位置を基準として決めるのが正解なのではないかと思い始めています。
またサドルポジションの前に選ばなければいけない重要なパーツが「クランク」だと思うようにもなっています。
自分に合ったクランクを選び、その下死点のペダル位置からサドルの高さや位置を出し、ハンドルポジションを決めるという流れになるのかもしれないと考えています。
もう少し考えをまとめてから記事にしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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